よく知らない街でみる夕暮れは、穏やかに私を照らす。
池上駅には2回程行った。私が普段ほとんど使わない路線を乗り継いで行く。
電車の扉が開けば新しい匂いがして、足どりも軽い。
用事を終えて帰りのホームに立つ時、見える夕陽は優しい。
そんなとき、思い出す一節がある。
“夕にはすねて 缶けとばして 侘しくなって
死んだあの子に 手紙を書きたい”
言葉が光のように真っ直ぐ差し込んでくる。
私達は大人になるにつれ、真実を隠して正解を選ぶようになる。泣きたくても笑い、優しい嘘をつく。
矛盾の中を生きていることに、みんな少し気付いている。
知らない街の駅のホームで、ひとり眺める夕陽を見て感じたことに正解や不正解はなく、
それは全て”本当のこと”なのだ。
本当のことを自分が持っていればいい。
この曲はいつも私にそのことを教えてくれる。