『いくつもの』寺尾紗穂 selected by 浮

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よく知らない街でみる夕暮れは、穏やかに私を照らす。

池上駅には2回程行った。私が普段ほとんど使わない路線を乗り継いで行く。
電車の扉が開けば新しい匂いがして、足どりも軽い。
用事を終えて帰りのホームに立つ時、見える夕陽は優しい。

そんなとき、思い出す一節がある。

“夕にはすねて 缶けとばして 侘しくなって
死んだあの子に 手紙を書きたい”

言葉が光のように真っ直ぐ差し込んでくる。

私達は大人になるにつれ、真実を隠して正解を選ぶようになる。泣きたくても笑い、優しい嘘をつく。
矛盾の中を生きていることに、みんな少し気付いている。

知らない街の駅のホームで、ひとり眺める夕陽を見て感じたことに正解や不正解はなく、
それは全て”本当のこと”なのだ。
本当のことを自分が持っていればいい。

この曲はいつも私にそのことを教えてくれる。

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浮(ぶい)

2018年から、米山ミサのソロプロジェクトとして活動を始める。最近は他アーティストの楽曲に参加するなど活動の幅を広げ、旅の予定も増えた。
何百通りの風に吹かれながら生活をうたう。

2019年12月12日に音楽レーベルFABIENNEより、
1st album”三度見る”を発売
同時に石垣島で録りおろした弾き語り曲集”部屋の中”を配信リリース。

個人サイト 『机上汽船』
https://sandmiru.wixsite.com/mysite

アルバム『三度見る』についてはこちら
https://www.fabienne.land/buoy