このコラムは池上のまちで参考にしたいと思った各地で活動している方から寄稿していただいたものです。
近所の弁当屋で僕は言う。
「サケ弁1つお願いします。」
と同時に思う、、
(からあげ弁当やカルビ弁当やミックスフライ弁当ではなく、、、サケ弁だと、? 歳をとったもんだ。)
最近そう、歳のせいかわからないけど、感覚に変化があった。
とりいそぎ書いておくが、食べ物の変化ではない。
今までは、やることなすこと未来のためにやってきた感覚だった。
勉強(たいしてやってない)も、部活(中学レベル)も、お受験も、美大の生活も、、
制作活動も、仕事も、人と会うのも、通勤の時間も、用事でかける電話も、昼に食べる弁当ひとつでも。
このようなことを、目標?というか、まだ見ぬ未来のために積み重ねていた感覚だったのだ。
全てにおいて、それらが未来につながっていく感覚で。
それが最近やっと、未来につながらなくなってきた。
一つ一つが、いよいよすでに“未来”で、“今”なんだと。
まだ見ぬ謎の目標を失ったとも思えるが、自分としては幸せな変化だった。
春にアトリエを引っ越したのだが、近所に弁当屋があって、最近はもっぱら昼になるとそこに買いに行く。
数あるメニューの中から選ぶのは、、結局サケ弁(320円)なのであった。
この弁当屋はいつも注文を受けてから作りはじめる。
サケが焼けるまで歩道で待ちながら、空を見上げる。
「明日はどの弁当にしよう」