『Austin』Marcin Wasilewski Trio/selected by小美濃 悠太

selected by小美濃 悠太

池上線沿いに住み始めて、7年が経った。身も心もすっかりこの街に馴染みきっている。今なら目隠しして家を出たとしても、スムーズに駅へ歩き、五反田行きあるいは蒲田行きの列車に乗り込むことができるだろう(もちろん、雪が谷大塚行きを見送ることも)。

乗った列車の中で聴く音楽は、たいていその日の仕事の資料だ。けれども、もし休日に池上へ行くなら、どんな音楽を聴きたくなるだろうか?一曲だけ選ぶとしたら、Marcin Wasilewskiの穏やかで美しいバラード“Austin”がいいかもしれない。

理由?ぜひこの音楽を聴いて、想像してほしい。あるいは、実際に聴きながら池上線に乗ってみてほしい。この一曲だけでは時間が余ってしまうなら、SANDOで食べる「あんバターサンド」のことを考えよう。それだけで、豊かな休日が過ごせることは間違いない。


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小美濃 悠太 Yuta Onomi

1985年、東京生まれ。一橋大学社会学研究科修了。
幼少の頃より続けていたエレクトーンを通じてジャズに出会う。高校に入学後、ジャズを演奏できる楽器を習得するために吹奏楽部に入部。コントラバスとエレクトリックベースを平行して学ぶ。
大学進学後、千葉大学モダンジャズ研究会に入部。本格的にジャズを学び始める。在学中から演奏活動を開始し、現在は東京を中心に首都圏全域で活動している。サックス奏者 臼庭潤のバンドへの参加を皮切りに、日本を代表する数々のジャズミュージシャンとの共演を重ねる。ツアー、レコーディングへの参加は枚挙に遑がない。
またジャズ以外のフィールドでも、世界的なボサノバシンガー・小野リサの中国ツアーや、日本を代表する雅楽師・東儀秀樹と、世界的なバイオリニスト古澤巌による全国ツアー、フランスの誇るバイオリニストFlorinNiculescu の国内ツアーなどに参加。
自身のプロジェクトとして、2015年にはピアノトリオTre fargerの1st アルバムをリリースし、全国ツアーを成功させる。翌年2016年にはライブ録音の2nd アルバムLive atThe Gleeも発売。Trefargerを通じてヨーロッパのアーティストとの交流を深め、2017年にはポーランド人ドラマーAlbert Karchとの共同プロジェクトで日本ツアーを行い、翌2018 年にはアルバム“Hare”をリリース、同年および2019年にはコペンハーゲンジャズフェスティバルにも出演、絶賛を受けた。
ジャズベースを山下弘治氏、アルコ奏法を高⻄康夫氏、斎藤輝彦氏に師事。