このコラムは池上のまちで参考にしたいと思った各地で活動している方から寄稿していただいたものです。

岩手の遠野、河童が住む土地に移住して5年目となる。この数年はもっぱら河童や座敷童子、山の神など民俗学をテーマに活動を続けている。その対象は基本的には過去であり、「あした」ではなく「きのう」。100年後ではなく100年前の話になる。

この1年はずっと「お盆」の研究をしてきた。東北の奥地にはユニークな風習が残っていて、古いものだと400年前からつづく先祖供養の風習があったりする。年に一度、ご先祖がこの世に帰ってくる期間に合わせて、家の前に目印となる高い木を立てたり、和讃を歌いながら火を焚いたり、太鼓を鳴らし踊ったりする。遠野のお盆は静かだけど、盆踊りのように楽しくパリピ的に先祖を迎えるスタイルも好きだ。

昔から続いているものすべてが良いとは限らないけれど、こうした風習や行事に触れるたび、心が安らぐのは何なのだろう。語り継がれた民話のように、私たちのDNAには先祖の記憶が継承されてるのだろうか。今年はお祭りなど伝統行事が軒並み中止になっているが、こうした機会はこれから先も続いていってほしい。

もうすぐまたお盆が始まる。

富川 岳 Gaku Tomikawa / ローカルプロデューサー / (株)富川屋 ・ to know 代表

1987年新潟県長岡市生まれ。広告会社を経て岩手県遠野市に移住。Next Commons Lab 立ち上げを経て独立。『遠野物語』を中心に東北の豊かな地域文化に傾倒。民俗学とクリエイティブを掛け合わせたプロデュースワークをしている。しし踊りの舞手。

https://www.toknowjp.com/

2019年から東急池上線の池上駅周りを中心に展開しているWEMON PROJECTSというプロジェクトの一環で行なっているNEWSANDHOTSANDO。各地で活動している方からのコラムやインタビューから池上の未来へ繋がるヒントを探していきます。

NEWSANDOHOTSANDO ISSUE 02

『Hi, How are you? やあ、そっちはどう?vol.2』ゲスト:
川良謙太/VOU 棒 オーナー

『Tomorrow Never Knows あした何しよう』コラム寄稿:
羽賀浩規/住職・花園禅塾塾頭、
山田毅/美術家 ・只本屋 代表 ・ 副産物産店 共同運営、
松村 貴樹/ローカル・カルチャー・マガジン『IN/SECTS』編集長、
成田 玄太/PERCH・Bar werk、
村上 雄一/BONDO オーナー、
矢津 吉隆/美術家・kumagusuku代表、
立川 博章/装身具LCF店主、
山崎 由紀子/絵描き、
大門光 /イラストレーター、
富川岳/ ローカルプロデューサー・(株)富川屋・to know 代表

デザイン:フクナガコウジ
Webデザイン:石黒宇宙(gm projects)
編集チーフ:丸山亮平(百日)
編集:中嶋哲矢(LPACK.)、小田桐奨(LPACK.)
発刊:2020年6月

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NEWSANDOHOTSANDO ISSUE 02 あとがき

六月です。紙面のHOTSANDOが発行できない代わりに趣向を変えてWEBのNEWSANDOで展開し始めてから1ヶ月が経つのだけど、日々全国から『Tomorrow Never Knows あした何しよう』のコラムが届き、どこかのまちで活動している人の声を聞けるのはかなり新鮮な気持ちになる。手紙が届いたみたいな感じだろうか。
今まで以上にオンラインでの物事が増えたから、実際は会っていないけど、あたかもずっと昔から仲が良かったかのような勝手な親しみみたいなものが生まれている。で、コラムが届くと、久々の近況報告を僕に伝えてくれているのかなと言ったような具合になるのだ。今度コラムに対しての返事をしてみようかなと勝手に思っている。
それが簡単にできてしまうのもオンラインの良いところの一つだなと改めて実感している。

久しぶりの池上はというと、参道の緑がつくる木陰が夏感をどんどんと出していた。みんなのSNSの発信などでこのまちの側面をチラ見していたけど、実際に来てみると、お店に手を入れる人や、拠点を引っ越す人などこの機会をポジティブな動きに変えている人が多いように思えた。

遠くの人に会いに行く『Hi, How are you? やあ、そっちはどう?』でも京都で活動するVOU/棒の川良謙太さんに話を聞いたのだけど
“この1、2ヶ月は今まで出来なかったことに取り組んでいる”と言った言葉がすごく印象的だった。

僕にとっては、何かが変わるいいきっかけになったよねと実際に会って話したい友人がめちゃくちゃ増えたなあ。

オンライン、オフラインを行ったり来たりする感じは、雨と晴れが繰り返す、この季節に似ていて案外好きだなあ、のNEWSANDHOTSANDOができました。

Text:Tetsuya Nakajima(WEMONPROJECTS)

Hi, How are you?

HOTSANDO Issue19よりババーンとコラムページが増えました!

HOTSANDO 編集部

Hi, How are you?

続・上州屋の記録
(HOTSANDO Issue18)

HOTSANDO 編集部

Tomorrow Never Knows

「煮るとスープができる不思議な石を持っているんです。鍋と水だけ貸してください」

山田 毅 Tsuyoshi Yamada/美術家 ・只本屋 代表 ・ 副産物産店 共同運営

Tomorrow Never Knows

HOTSANDO Issue12 あとがき

丸山亮平(HOTSANDO 編集チーフ)

Tomorrow Never Knows

麻田 景太 Keita Asada/五条ゲストハウス

Tomorrow Never Knows

山田 毅 Tsuyoshi Yamada/美術家 ・只本屋 代表 ・ 副産物産店 共同運営

Tomorrow Never Knows

八木 麻子 Asako Yagi/ガラス作家

Tomorrow Never Knows

矢津 吉隆 Yoshitaka Yazu/美術家・kumagusuku代表

Hi, How are you?

『やあ、そっちはどう?』
真似したいほど魅力的なまちで活動する方との対談記録『Hi,How are you?Vol.3』は松陰神社エリアで、ビールとパンのお店『good sleep baker』を営む小林由美さん。
世田谷線って池上線と似たローカル線だけど、めちゃくちゃ盛り上がってる印象。でもそれが観光名所があるとかではなくて、生活と地続きで自然体な感じがいいなあと思っています。池上に来たこともある小林さん、松陰神社にお店を構えたきっかけの話を始まりに、住んでるまちのこと、池上のことについて話を聞きました。
ちょっと汗ばむ季節の始まり、美味しいビールを飲みながらの対談。時節柄、東京都知事選挙の話がひとしきり盛り上がったあとのお話です。

小林由美/good sleep baker
中嶋哲矢/L PACK.
フクナガコウジ/図案家

小林 由美 Yumi Kobayashi/good sleep baker

Tomorrow Never Knows

近所の弁当屋で僕は言う。

「サケ弁1つお願いします。」

飯田 純久 Yoshihisa Iida/イイダ傘店