
昨年7月、娘を出産した。
産後はひと月、コンビニすら行かず引きこもり、夏の存在すら忘れかけた。
ガラス屋は季節労働者と言っても良い位、夏はいつもバタバタしている。昨年は学生時代ぶりに来た夏休み、という感じだった。とはいえ、自分のための時間はないけれど。
里帰りを終えて自宅に戻り慣れた頃、娘と夫はお留守番、イヤホンをしてひとり、ちょっとの買い物に出かけた。
妊婦時代から一年ほど、何かあったときに気づかないと、とイヤホン自体使えていなかった。
映画のサントラを爆音で聴きながら、なんだこの多幸感は!と震えた記憶がある。(安上がり)
そしてまた、思いがけずやってきた再びのステイホーム。一階に仕事場のアトリエがある構造上、家から一歩も出なくても生活が出来た。生協も届くので買い物も少ない。
生活の上で不自由がないのは本当にありがたいことなのだけれど、この1年間で街に出るということが自分がどれだけ好きだったかというのを思い知った。いままた、無性に幸せのハードルが下がっている気がする。
自粛期間を経て、娘も保育園に行き始めた。家から飛び出して、彼女なりの社会を生きはじめたんだな、と思う。
私も自分の時間が持てるようになった。なんだかそわそわして娘の写真をぼーっと眺めては、いかんいかんと仕事の日々。
旅には出られないけれど、街歩きのお供のプレイリストを準備して。