このコラムは池上のまちで参考にしたいと思った各地で活動している方から寄稿していただいたものです。
『塩鰹とルッコラとかのサラダ』
「西馬込で一番おすすめのお店ってどこですか?」とお客様にも雑誌の取材でも聞かれたことはない。でも敢えて答えると駅から徒歩15分の場所で南馬込にある「魚考」さんという魚屋だ。幼少の頃、夏になると週一回くらい「魚考」の鰹のタタキが夕飯のおかずだった。まあこれが美味しいわけで。子供ながらに鰹のたタタキと白米の組み合わせが御馳走ということを知った。スーパーで気軽に済ませていたら感じることはないのだが、徒歩15分で「刺身嬉しいな」が「刺身って最高だな」に変わる貫禄は、商店街の専門店の大切さを感じる。でもスーパーで気軽な気持ちで鰹を買って生臭さを感じるならば、塩を適度に振って時間をおいたあとに洗い流す。そして葉ものをごま油と塩、生姜醤油のドレッシングで和えて食べるとこれもまた美味しい。しかし本質は、刺身はやっぱりそのまま醤油つけて美味しいのが最高な訳で「魚考」に勝ることはない。「もし明日地球が滅びるなら何が食べたいか?」と問われたら妻の作る酢豚か「魚考」の鰹のタタキかどちらかだ。