このコラムは池上のまちで参考にしたいと思った各地で活動している方から寄稿していただいたものです。
横浜の店舗には自転車で通い始めた。と言ってもほぼ毎日のように車で通っていたのだけど、少し前の車なもんだから車内のエアコンがあまり効かず、座っているだけで汗をかいていた。どうせ汗かくなら気持ちよくかきたいと思い、久しぶりに自転車に乗っている日々なのです。自宅からの距離は6キロほど、時間にして30分ほどなのだけどほとんどが土手沿いを走ることができ、車は走っていないもんだから、気持ち的にはめちゃくちゃ楽ってのが自転車のいいところでもある。この土手沿いには住宅の他にも高校も建ち並んでいて、朝晩はさながら「3年B組金八先生」のオープニングの場面のような光景が広がっている。勤通学に使う人、日課であろうランニングをしている人、釣りをしている年配の人など、多種多様な過ごし方を見ることができる。人の動きなど見ているってのは僕自身の勝手な想像を付け加えることができて何だか楽しい。特にこの土手で気に入っているのは、夕方にトランペットを吹いているおじさんだ。川の上流にかすかに山が見えてそこに日が沈み、そこにトランペットの音とくればドラマのワンシーンだ。橙色に照らさせるのが「おじさん」ということが、ドラマとしては一つの気がかりではあるが、日曜日夜9時のTBSや、テレビ東京の深夜ならアリな気もする。日に日に上達してくる自このトランペットの音に出会えたなら一日の終わり方としては素晴らしい。こんな些細な偶然の楽しみに気づくことができるのも、いつもと少し違う行動を取ったからである。明日、そのおじさんに話しかけたらいつもの土手の風景が少し変わるかなぁなんて今日もトランペットの音を聞きながらふと思った。
そういえば池上まで自転車で行ったことなかったなというのも同時に思い出した。地図を見たところ多摩川大橋まで土手を走ることができそうだ。違う土手の風景を見つけに梅雨が明けたら自転車で行ってみようかな。